ゲド戦記は何度見ても難しい物語ですが、悩む主人公に寄り添ってくれる人達のおかげで主人公が少しずつ成長していくところがとても魅力的な作品だと思います。
ここでは原作を読んだ私が、映画「ゲド戦記」アレン、テルー、ハイタカ、テナー、クモの名言、名セリフを紹介します。
あなたの心に刺さる言葉はいくつあるでしょうか。
*ネタバレを含みます。
映画【ゲド戦記】について
- 映画『ゲド戦記』はスタジオジブリ制作の長編アニメーション映画
- 監督は宮崎吾郎監督
- 原作は、アーシュラ・K・ル=グウィンの小説「ゲド戦記」
- 宮崎駿監督の絵物語『シュナの旅』を原案として映画化
原作と映画ではストーリーや解釈が違うところもありますが、ここでは映画に焦点をあてて書いていきます。
映画【ゲド戦記】主な登場人物
ここでは主な登場人物を紹介します。
アレン
主人公アレンはエンラッド王国の王子です。
国内で原因不明の様々な災厄の起こっている中、色んなことに悩み感情が抑えられなくなり暴走してしまいます。
そのため自分の体から”影”が出てきてしまい、心のバランスを崩して衝動的に父王を殺害して国から逃げ出します。
物語後半、この”影”こそがアレンの体を求めてさまよっている”光”で、いま体にいるほうが実は暴走し感情を抑えられない心の闇”影”だったことが明らかになります。
何度も心がダメになりながらも、寄り添って諭してくれる人達のおかげで闇を克服していくところに私はとても感動しました。
テルー
両親から虐待され捨てられた少女で顔の火傷の痕はその時についたものです。
テナーに助けられ一緒に暮らしています。
はじめは命を大切にしないアレンに嫌悪感を抱いていましたが、時間を共にし、アレンと話して打ちとけていきます。
アレンに寄り添い諭してくれる、優しくて正義感の強い子ですね。
終盤でクモに魔法で殺されますが、竜の姿になり生き返ります。
昔、竜と人間は別々に生きることを選び、竜のなかには人間の姿で生きること選んだものもいて、テルーの先祖は竜で、竜の力が目覚め生き返りました。
映画の中では多く語られていないため、何で?と思う方もいたと思います。
ビックリしましたよね。
ハイタカ
もっとも偉大な魔法使い(大賢人)で、各地で起こっている異変は世界の均衡が崩れはじめているとして、原因を探る旅をしていました。
途中獣に襲われていたアレンを助け一緒に旅をします。
テナー
ハイタカのよき理解者で、両親に捨てられたテルーを女手一つで育てています。
映画では出てきませんが幼いころに名前と自由を奪われ、アチュアンの墓所という神殿で大巫女”闇の象徴”として、処刑のために送られてきた囚人たちを殺す役目を担っていたところをハイタカに助け出されました。
クモ
クモは港町ホート・タウンでただ一人魔法の使える魔法使いです。
金さえ払えば黄泉の国から死者の魂を呼び出す悪い魔法使いで、世界の均衡が崩れたのはこのクモが原因のひとつでした。
女性に見えますが男性で、自分で自分に若返りの魔法をかけていています。
【ゲド戦記】アレン、テルー、ハイタカ、テナーの名言、名セリフ集!
ここでは名言、名セリフを紹介します。
【ゲド戦記】アレンの名言
私はこのセリフを聞いた時、諦めの中にやっと死ねる…と思っているような、かすかな喜びを感じているように思えました。
”影”の部分が姿を表わした瞬間です。おかげで追い払うことができましたが、のちに「命を大切にしないやつなんて大っ嫌いだ。」と助けたテルーから拒絶される原因になります。
国を逃げ出したアレンが生きる希望を失っているのが伝わってきました。
アレンはまた”影”の部分が姿を表わして、気持ちが抑えられなくなり暴走してしまうかもしれないと悩んでいます。
自分だけ影の自分がいると思っているのではないでしょうか。
誰でも人の中には、表には出せない”影の自分”がいると思うので誰にでも影があるよと伝えたいですね。
アレンはとても真面目な少年なんだろうなと感じました。
不安な気持ちから闇に飲まれ父を殺して逃げたり、薬を飲まされ真の名前を奪われ支配されてしまい、ハイタカに切りかかったりしたアレンは自分は無力で何もできない、ろくでもないことしかできないと悲観的になっているのが伝わってきます。
生きたい気持ちと死にたい気持ちを繰り返しているんだなと感じます。
闇を乗り越え魔法の剣を抜いた時のアレンはとても綺麗で、やっと乗り越えたねと感動しました。
闇を払えたからこそアレンの言葉は重く、クモにも少しは響いたのではないでしょうか。
【ゲド戦記】テルーの名言
初めて会ったときに「命などいるか」と自分の命を軽んじた発言をしたアレンに嫌悪感を抱いていました。
テルーは幼いころから様々な苦労をしていることから命を大切さを知っているからこそ出たセリフだと思います。
死ぬのが怖いんじゃなくて、生きることから逃げているだけ。
とても重い言葉…ですね。
人間逃げたくなる時もあるんですよね。
生き物は必ず死ぬことがわかっていて、命には期限があるからこそ大切にしなければならない。
私の心にドカンと響きました。
人の命はとても大切なもので、生かされているのだから目一杯生きるしかないんだと優しく語りかけています。
私は命は1人につき一つ自分だけのものだと思いますが、この言葉は生きてる時にずっと1人だけで生きていくことはなく誰かしらと関わって生きてるというのを語っているんだと思いました。
【ゲド戦記】ハイタカの名言
アレンの様子を一晩みて、一人にさせられないと思ったのではないでしょうか。
強さと優しさがにじみ出ているシーンだと思います。
自然との均衡を崩しているのは、他でもなく人間たちの欲望だと言っているのだと思います。
そして次のセリフへとつながっていきます。
「風や海も、大地や光の力も、獣や緑の草木もすべては均衡を崩さぬ範囲で正しく動いている。しかし人間には人間ですら支配する力がある。だからこそ、わしらはどうしたら均衡が保たれるかよくよく学ばなければならない。」
ハイタカは世界の均衡を崩さぬ範囲で正しく使わなければならないと強く思っているため、自分もむやみに力を使わないようにいつも気を付けていました。
このセリフは、私たち現代の人にも刺さる一言ですね。
力、権力とは他人を支配し服従させる力のことで、社長やリーダーなどもこれに当てはまると思います。
権力を使うことで、周囲に多大な影響を与えるのを意識しなければいけません。
使い方が悪くて社内業務の効率が落ちて、チームの業績が下がっていくなど、リーダーにとっては影響がないと思っても、数十人・数百人に大きな影響を与えるケースもありますからね。
死ぬ生命がある一方で、生まれてくる生命があります。
これは生物全てのサイクルで、死は終わりではなく、新たな始まりという考え方なのではないでしょうか。
生まれてきたものは必ず死ぬのだから、死を拒絶することはできない。
それは、生きることすら拒絶することになってしまいます。
死を恐れるのではなく、人生の一部として受け入れ生きてなければならないというとても重い言葉だなと感じました。
長いセリフですが、とても考えさせられます。
生まれてきたものは死ぬことが決まっていて、死の存在があるからこそどう生きるかが大切なのだと諭しています。
私たちが持っているものは、家族や友人だけでなく肉体も精神も、自分を苦しめるものも輝かせてくれるのも、死ぬときにはどれも手放さなければならないということです。
普段考えることなんてないですよね。
とても深い言葉です。
【ゲド戦記】テナーの名言
アレンにここにいてもいいよ、居場所があるよと伝えてるように感じます。
人になにか伝える時はまずほめることとよく言われますね。
相手が心を閉ざしてしまうことを防いで、指摘や苦言を素直に聞けるようにするためです。
アレンの気持ちを考えてのセリフなのだと思います。
【ゲド戦記】クモの名言
世界の均衡が崩れたのは自分一人のせいだけではなく、人間一人ひとりの欲望が均衡を崩しているのだと言っています。
怖い怖いというセリフの意味は「死ぬことが怖い」という意味です。
私は何度もこの映画を見ていますが、目が空洞のようになりコワイ…コワイ…と言っているクモが一番怖いです。
まとめ
たくさんの名言を紹介しましたがいかがだったでしょうか。
ジブリ作品は、答えを明確にせずに視聴者にゆだねることが多いですが、このゲド戦記もその一つです。
色んな解釈があって面白い作品だと思います。
私は自分の中の黒い部分や弱さを受け入れ、その問題に向き合うことが大切なのだと感じました。
また自分を理解してくれる人が側にいることも大切だと思いますし、今あるものをどう大切にしていくかを考えて生活していきたいです。
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