※ この記事は作成過程で一部AIツールを活用していますが、運営者独自の視点や考察を交え、責任を持って内容を確認・編集したうえで公開しています。
『天(そら)は赤い河のほとり』には魅力的なキャラクターがたくさん登場しますが、その中でも特に忘れられないのが「ウルスラ」です。
登場した当初は偽イシュタルを名乗り、ユーリの敵として立ちはだかりました。
ですが物語が進むにつれ、彼女は大きく変わっていきます。
そして11巻で描かれる最後は、今でも「何度読んでも泣く」「ウルスラが好きになった」と語るファンが多い名シーンです。
とはいえ、この最期がなぜこれほど胸に残るのかは、彼女が最初どんな女性だったかを知らないと、本当の意味では伝わりません。
まずは登場当初のウルスラから振り返ってみます。
※ネタバレあり
ウルスラとは?人物像とその魅力
ここからは、ウルスラという人物について少し詳しく見ていきましょう。
プロフィール
- ヒッタイト帝国西方の貧しい村の出身
- ウルヒの策略により偽イシュタルを名乗る
- 後にユーリの女官となる
- カッシュと恋仲になる
- 11巻で物語屈指の名シーンを残す
ウルスラの性格について
ウルスラは最初、自分の幸せのためなら多少の嘘も仕方ないと考える、現実的な女性として登場します。
豪華な暮らしに憧れ、「貧乏なんてまっぴら」と思っていました。
そのためユーリを妬み、偽イシュタルとして振る舞うことになります。
ですが本来のウルスラは、冷酷な悪人ではありません。
家族を七日熱で失った過去を持ち、人一倍「幸せになりたい」という気持ちが強かっただけなのです。
個人的には、ウルスラが選んだのが「イシュタルを騙る」という手段だったことも気になります。
守ってくれる家族をすでに失っている彼女にとって、豪華な暮らしより先に欲しかったのは、誰かに「特別な存在」として扱われることだったのではないでしょうか。
ユーリに救われてからは、明るく世話好きな性格が見えるようになります。
カイルとユーリの仲を勝手に応援したり、仲間たちと騒いだり、宮の中でもムードメーカーのような存在になっていきました。

気づけば、読者もウルスラを応援するようになってしまうんですよね。
ウルスラの魅力
私が思うウルスラ最大の魅力は、「変化するキャラクター」であることです。
最初は自分のためだけに生きていました。
ですがユーリに出会い、仲間に受け入れられ、カッシュと恋をし、少しずつ他人の幸せを願える女性になっていきます。
特に11巻の姿を見ると、同じ人物とは思えないほど成長しています。

え、ウルスラって最初から健気な女官キャラだと思ってた。

ううん、むしろ最初はけっこう俗っぽいよ。
宝石とお酒に目がなくて、ユーリのことも妬んでたし。

意外。てっきり最初からいい人だと

その俗っぽさがあった分、後半の変化がリアルに刺さるんだと思う
ウルスラの心に残る名言・名シーン集
ここからは、ウルスラの名言や名シーンを振り返っていきます。
最初は自分の幸せだけを追い求めていたウルスラが、ユーリとの出会いや仲間たちとの時間を通してどう変わっていったか、印象的な言葉と共に見ていきます。
「本当の側室になれば こんな生活を一生していられるのよね」
「きれいな衣装 カルセドニー(玉髄) カーネリアン(紅玉髄) アガート(瑪瑙) ラピスラズリ(瑠璃) とびきりの宝石 食事もとびきり豪華だし お酒だってあびるほど イシュタルを名乗っただけで みんながちやほやしてくれて なんて素敵なの」「本当の側室になれば こんな生活を一生していられるのよね」
宝石、豪華な食事、あびるほどのお酒。イシュタルを騙っただけで手に入る暮らしに、心底浮かれています。
正直、ここだけ切り取ると「あまり好きになれないタイプ」のキャラクターです。
でもこの俗っぽさこそが、後の変化を測るものさしになります。
この後の名言と読み比べると、同じ人物とは思えないはずです。
「あたしには かなわない‼」
ウルスラは七日熱で家族を亡くしています。
病気の子どもを迷わず抱き上げたユーリの姿が誰よりも胸に刺さったのでしょう。

これって単なる敗北宣言じゃないの?

私は違うと思う。
ここで初めて『こんな人になりたい』って思えたんじゃないかな。

あ、それまでは『どうすれば自分が幸せになれるか』しか考えてなかった、ってことか。

そう。
短いセリフだけど、彼女の人生の分岐点だと思ってる。
「この腕にかけて おふたりには 結ばれていただきましょう‼」
女官になってからのウルスラは本当に魅力的です。
最初の嫌な印象が嘘みたいに、人情味あふれるキャラクターになっていきます。
カイルとユーリの仲を勝手に心配して、勝手に世話を焼いて。
ハディたちと一緒に騒いでいる姿を見ると、居場所を見つけたんだなと感じます。
正直この頃のウルスラ、一番好きです(笑)。
それだけに、後半の展開がつらくなってくるんですよね。

「わ…わたしは何人め?」
「わ…わたしは何人め?あんたの家には 今 何人 女がいるの?」

せっかくの告白なのに、それ言う?ウルスラ意地悪だな。

意地悪っていうより、たぶん本気で不安だったんだと思う。

不安?

幸せが目の前に来たとき、『本当に私でいいの』って疑ってしまう人、いるでしょ。
強気な態度の裏に、自分に自信を持てない部分が見える気がして。
「一日も早くユーリさまが ご無事でおもどりになることを お祈りしております」
「あたしにはかなわない」と言っていたのは、むしろ私たち読者の方かもしれない。
この場面を読んで、そう思いました。
かつて自分の幸せだけを追い求めていたウルスラが、今は自分の命よりユーリの無事を願っている。
処刑される可能性をわかっていながら、それでも最後までユーリを心配しています。
「でもあたし もっと大きな夢を見てしまったの」
逃げてほしい。
カッシュと一緒に幸せになってほしい。
本当ならカッシュと生きたかったはずのウルスラが、ユーリとカイルが作る未来を選ぶ。
いかにもウルスラらしい選択だと思います。

「同じ夢をずっと一緒に見てゆけるわ」
一緒には生きられなくても、同じ未来を願うことはできる。
初めて読んだとき、しばらくページをめくれませんでした。
恋人との別れの言葉なのに、恨みも絶望もない。
あるのは愛情と祈りだけ。

これ、何回読んでも泣くやつだ。

うん。ここは何も付け足したくない。
「いつか来る日の…夢を見るわ――」
処刑を前にしても、ウルスラは恨み言を口にしませんでした。
思い残すことはないかと聞かれた彼女は、「ございません」とだけ答えます。
心の中で思い浮かべたのは、自分が見ることのできない未来でした。
カイルが皇帝となり、その隣にユーリが立つ未来。
人々が飢えや争いに怯えることなく暮らせる国。
自分がいなくなった後の未来を、最後に願う。
それだけです。
あわせて読みたい:
なぜウルスラの最後は泣けるのか
ウルスラの最後がこれほど心に残るのは、彼女が最初から立派な人ではなかったからだと思います。
贅沢な暮らしに憧れ、側室になりたくて、ユーリを妬み、自分の幸せを一番に考えていた。
そんな彼女が、ユーリと出会い、少しずつ変わっていく。
「あたしにはかなわない‼」と認めた瞬間から、ウルスラは本当の意味で成長し始めました。
そして最後には、自分の幸せよりも大切なものを見つけます。
カッシュと生きる未来は、本当なら彼女が一番欲しかったはずのものです。
それでもウルスラは、ユーリとカイルが作る未来を守ることを選びました。
偽イシュタルとして登場した女性が、最後には誰よりも本物の愛を知る。
弱さも欲もあった人だからこそ、その選択が読者の胸に刺さるのだと思います。
考えてみると皮肉な話です。
ウルスラは女神の名を騙った「偽物」でした。
それなのに最後に彼女が見せたのは、称号や血筋を持つ誰よりも本物らしい思いやりでした。
物語の中で本当に「偽物」だったのは、称号のほうだったのかもしれません。
まとめ
「あたしにはかなわない‼」「もっと大きな夢を見てしまったの」「同じ夢を見てゆけるわ」——どの言葉も、ウルスラが歩んだ人生そのものを表しているように感じます。
幸せになってほしかった。カッシュと一緒に生きてほしかった。
それでも、最後まで自分の信じた未来のために生き抜いたウルスラは、間違いなくかっこよかったと思います。
もし久しぶりに『天は赤い河のほとり』を読み返すなら、ぜひウルスラの言葉にも注目してみてください。きっと昔とは違う見え方がするはずです。
合わせて読みたい



コメント