【ヒロアカ】爆豪勝己(かっちゃん)の名言集|「助けられてもねえ」から「来い デク」へ

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アニメ、漫画の名言

口が悪くて、すぐに怒鳴って、幼なじみを見下している。

アニメ『僕のヒーローアカデミア』を見始めたころ、私は爆豪勝己のことを、正直「嫌な奴」だと思っていました。

なんでこんなにトゲトゲしいんだろう、と。

それなのに、気づけば好きになっていました。

5期あたりだったと思います。

振り返ってみると、爆豪は最後まで口が悪いままでした。

それでも、少しずつ言えるようになった言葉があります。

悔しい。

後悔している。

助けろ。

ごめん。

そして最終話で、爆豪はデクに「来い」と言います。

かつて、追いかけてきたデクに「来んな」と言った、あの爆豪が。

この記事では、『僕のヒーローアカデミア』の爆豪勝己(かっちゃん)の名言を、アニメ1話から最終話まで、話数とあわせて紹介します。

「助けられてもねえ」と手を払いのけた少年が、どうやって「来い デク」と手を差し出すまでになったのか。

言えるようになっていった言葉を、場面と一緒にたどっていきます。

※アニメ最終話までの内容に触れています。

僕のヒーローアカデミア(1)
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ガッカ

中学生の頃、名言に魅せられて早30年。毎日名言を探しています。大好きなマンガやアニメを中心にスポーツ選手や声優の心に響く名言を紹介します!

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  1. ヒロアカ・爆豪勝己の名言 早見表
  2. 『僕のヒーローアカデミア』爆豪勝己(かっちゃん)とは
    1. 爆豪勝己のプロフィール
    2. “個性”「爆破」とは
    3. 性格と、意外な一面
    4. 好き嫌いが分かれるキャラクター
  3. 「助けられてもねえ」一番にしかこだわれなかった少年|アニメ1・2期
    1. 「俺は、てめえに助けを求めてなんかねえぞ…助けられてもねえ!」
    2. 「こっからだ! 俺はこっから! いいか、俺はここで一番になってやる!」
    3. 「1位だ…ただの1位じゃねえ 俺が取るのは、完膚なきまでの1位だ!」
    4. 「勝つつもりもねえなら、俺の前に立つな!」
  4. オールマイトを終わらせてしまった、と口にした夜|アニメ3期
    1. 「俺はオールマイトが勝つ姿に憧れた 誰が何言ってこようが、そこはもう曲がらねえ!」
    2. 「俺は…俺はオールマイトを終わらせちまってんだ!」
  5. 見下していた側から、気づかせる側へ|アニメ4期
    1. 「倒れねーってのは、クソ強ェだろ」
    2. 「いつまでも見下したままじゃ、自分の弱さに気づけねえぞ」
  6. 爆豪が「助けろ」と言えた日|アニメ5期
    1. 「てめえらが危ねえ時は、俺が助ける で、俺が危ねえ時は…てめえらが俺を助けろ」
    2. 「逆に何が出来ねえのか、俺は知りに来た」「ナンバー1を超えるために足りねえもん、見つけに来た」
  7. 体が勝手に動いた日と、やっと言えた「ごめん」|アニメ6期
    1. 「その時…俺の頭には、なんもなくて… ただ…体が勝手に動いてた」
    2. 「言ってどうにかなるもんじゃねえけど…本音だ、出久 今までごめん」
  8. 追いかける側になったかっちゃん|アニメ7期・FINAL SEASON
    1. 「なあ、出久…俺、まだお前に追いつけるかな」
    2. 「俺ァ 爆豪のかっちゃんだ!」
    3. 「俺1人で…勝てるわけねえんだよ」
  9. 「来い デク」最後に手を差し出したのは爆豪だった|アニメ FINAL SEASON
    1. 「マジで…マジでお前に…何しとったんだろうな、俺」
    2. 「来い デク」
  10. 爆豪(かっちゃん)の名言が今も刺さる理由
    1. 負けたことを、なかったことにしなかったから
    2. 口の悪さが、本音の目印になっていたから
    3. 最後まで、爆豪のままだったから
  11. まとめ:ヒロアカ・爆豪勝己(かっちゃん)の名言が教えてくれること

ヒロアカ・爆豪勝己の名言 早見表

まずは、この記事で紹介する爆豪の代表的な名言を、アニメの放送順に並べました。

▼1期・2期

  1. 俺は、てめえに助けを求めてなんかねえぞ…助けられてもねえ!
  2. こっからだ! 俺はこっから! いいか、俺はここで一番になってやる!
  3. 1位だ…ただの1位じゃねえ 俺が取るのは、完膚なきまでの1位だ!
  4. 勝つつもりもねえなら、俺の前に立つな!

▼3期

  1. 俺はオールマイトが勝つ姿に憧れた 誰が何言ってこようが、そこはもう曲がらねえ!
  2. 俺は…俺はオールマイトを終わらせちまってんだ!

▼4期

  1. 倒れねーってのは、クソ強ェだろ
  2. いつまでも見下したままじゃ、自分の弱さに気づけねえぞ

▼5期

  1. てめえらが危ねえ時は、俺が助ける で、俺が危ねえ時は…てめえらが俺を助けろ
  2. 逆に何が出来ねえのか、俺は知りに来た/ナンバー1を超えるために足りねえもん、見つけに来た

▼6期

  1. その時…俺の頭には、なんもなくて… ただ…体が勝手に動いてた
  2. 言ってどうにかなるもんじゃねえけど…本音だ、出久 今までごめん

▼7期・FINAL SEASON

  1. なあ、出久…俺、まだお前に追いつけるかな
  2. 俺ァ 爆豪のかっちゃんだ!
  3. 俺1人で…勝てるわけねえんだよ
  4. マジで…マジでお前に…何しとったんだろうな、俺
  5. 来い デク

 

『僕のヒーローアカデミア』爆豪勝己(かっちゃん)とは

名言を紹介する前に、爆豪がどんな人物なのかを見ておきましょう。

“個性”や性格、意外な一面、そして好き嫌いが分かれる理由までまとめました。

爆豪勝己のプロフィール

  • 名前:爆豪勝己(ばくごう かつき)
  • 呼び名:かっちゃん(デクからの呼び名)
  • 出身:静岡県
  • 所属:雄英高校1年A組
  • 個性:爆破
  • 声優:岡本信彦さん

爆豪勝己は、『僕のヒーローアカデミア』の主人公・緑谷出久(デク)の幼なじみです。

デクからは「かっちゃん」と呼ばれています。

ヒロアカ・爆豪勝己(かっちゃん)の人物相関図

“個性”「爆破」とは

  • 手のひらからニトロのような汗を出して、爆発させる
  • 汗が多いほど威力が上がるので、動けば動くほど強くなる
  • 汗をかきにくい冬は、調子が落ちてしまう
  • 最大の威力で爆破すると、自分の手のひらまで痛む

性格と、意外な一面

強い“個性”に加えて、勉強も運動も人並み以上にこなし、幼いころから周りに一目置かれてきました。

中学時代の模試では、偏差値79ともいわれる雄英高校がA判定。

自分の中学で「唯一の雄英圏内」だと言い切るほどでした。――アニメ1期(通算1話)

そして、その最難関の雄英高校に合格。

入学後の中間テストでも、クラスで3位に入っています。――アニメ2期(通算34話)

デクと同じく、No.1ヒーロー・オールマイトに憧れてヒーローを目指しました。

爆豪が憧れたのは、どんな相手にも「必ず勝つ」オールマイトです。

一番になること、必ず勝つことに、強くこだわる性格です。

その一方で、誰かに助けられることは「相手より下になること」だと考え、受け入れようとしませんでした。

この考え方は、このあと紹介する最初の名言にもつながっています。

乱暴に見えて、変なところで冷静に加減をするので、クラスメイトから「みみっちい」と言われることもあります。

 

口の悪さからは想像しにくいのですが、意外なほど器用な一面もあります。

料理:林間合宿のカレー作りでは、手際よく包丁を使いこなし、麗日を驚かせていました。――アニメ3期(通算41話)

掃除:寮で掃除機をかける場面があり、窓枠のほこりの担当がデクだと知ると、掃除もできないのかと怒っていました。――アニメ3期(通算61・62話)

ドラム:文化祭でA組がバンドをやることになったとき、上鳴と瀬呂にあおられてドラムを叩いてみると、耳郎も「完璧!」と認める腕前。

芦戸からは「才能マン」と呼ばれています。――アニメ4期(通算82話)

勉強:期末試験の前には、喫茶店で切島に勉強を教えていました。――アニメ2期21話(通算34話)

好き嫌いが分かれるキャラクター

爆豪は幼いころから無個性のデクを見下し、大切なノートを爆破するなど、傷つける言葉や行動を重ねてきました。

そのため、今でも爆豪を許せない、好きになれないという人も少なくありません。

ただ、物語を最後まで見て、見方が変わったという人も多くいます。

爆豪は、キャラクター人気投票で第2回から第9回まで1位を取り続け、原作の完結後に行われた全世界での人気投票でも1位に選ばれました。

岡本さんはインタビューで、爆豪は最後の最後までほとんど負けている人だと語っています。

誰よりも勝つことにこだわったのに、負けてばかり。

それなのに、なぜここまで愛されたのでしょうか。

この記事では、好きか嫌いかを決めつけるのではなく、爆豪が実際に口にした言葉を、アニメの話数とあわせてたどっていきます。

 

<デクの側から見た物語は、デクの名言の記事で紹介しています。>

『僕のヒーローアカデミア』デク(緑谷出久)の名言|無個性の少年が「君はヒーローになれるよ」と言うまで
「“個性”がなくても、ヒーローは出来ますか?」『僕のヒーローアカデミア』は、無個性の少年がNo.1ヒーローにそう問いかけるところから動き出します。そして10年近くにわたるアニメの最終回で、この問いは思いがけない形でもう一度登場します。私がヒ...

 

「助けられてもねえ」一番にしかこだわれなかった少年|アニメ1・2期

物語の始まりの爆豪は、誰かに並ばれることも、手を差し伸べられることも許せない少年でした。

まずは、雄英高校を受験する前から、入学して最初の体育祭までの言葉を見ていきます。

「俺は、てめえに助けを求めてなんかねえぞ…助けられてもねえ!」

ヘドロのようなヴィランから救い出されたあと、帰り道のデクを後ろから追いかけてきて言い放った言葉。――アニメ1期(通算2話)

ヴィランに飲み込まれかけた爆豪。

プロのヒーローたちが手を出せずにいる中、真っ先に飛び出したのは、何の“個性”も持たないデクでした。

けれど爆豪が返したのは、お礼ではありませんでした。

え、助けてもらったのに、なんでこんな言い方になるの?

ずっと下に見てきたデクに手を差し伸べられたこと自体が、爆豪には許せなかったんだと思う。

プライドが高いっていうより、それしか自分を支えるものがなかったのかもね。

「助けを求めてない」だけでは足りず、「助けられてもねえ」と言い直しています。

その言い直しに、爆豪の必死さがにじんでいます。

「こっからだ! 俺はこっから! いいか、俺はここで一番になってやる!」

初めての戦闘訓練でデクに敗れ、クラスメイトの実力まで思い知らされたあとで。――アニメ1期(通算8話)

爆豪が、泣いていました。

負けた相手は、ずっと格下だと思ってきたデク。

周りを見れば、自分より上かもしれない同級生が何人もいる。

生まれて初めての、はっきりとした挫折でした。

▼声優・岡本信彦さんが語る爆豪

爆豪を演じる岡本信彦さんは、爆豪を「よく泣く子」だと話しています。

周りからは天才と言われてきたけれど、振り返ると実はずっと努力していた、とも。

私は、泣きながら叫んだ「こっからだ!」に、爆豪の強さの正体があると思っています。

負けたことを、なかったことにしない。

泣きながらでも、ここから始めると言える。

それは、意地を張って負けを認めないこととは、まったく別のものです。

爆発に包まれた未来都市の大通り

「1位だ…ただの1位じゃねえ 俺が取るのは、完膚なきまでの1位だ!」

雄英体育祭の騎馬戦で、B組の物間に挑発されて。――アニメ2期(通算18話)

ただの1位では、なぜだめなのか。

体育祭の選手宣誓で、爆豪は全員の前で自分が1位になると言い切っていました。

誰にも文句を言わせない勝ち方でなければ、爆豪にとっては勝ちではなかったのです。

「勝つつもりもねえなら、俺の前に立つな!」

体育祭の決勝戦、炎の力を使わずに戦う轟焦凍にぶつけた言葉。――アニメ2期(通算25話)

焦凍は、父への反発から、自分の左側に宿る炎を封じて戦っていました。

本気を出さない相手に勝っても、それは爆豪の求める1位ではありません。

この叫びの直前には、こんな言葉もこぼしています。

「デクより上に行かねえと意味ねえんだよ」

目の前にいるのは焦凍なのに、爆豪が見ていたのはデクでした。

結局、爆豪は優勝します。

優勝が決まっても、爆豪は少しも納得していませんでした。

周りが認めても、自分が認めていなければ意味がない。

爆豪の「1番」は、最初から他人に決めてもらうものではなかったのです。

▼この章のその他の名言

「言われなくても、俺はあんたをも超えるヒーローになる!」(アニメ1期・通算8話)

デクに負けて帰ろうとしたところを、オールマイトに呼び止められて。
泣いたあとでも、目標はオールマイトよりも上でした。

 

そんな爆豪の「勝つ」が、根元から揺らぐ出来事が起こります。

オールマイトを終わらせてしまった、と口にした夜|アニメ3期

爆豪がなぜ、ここまで「勝つ」にこだわるのか。

その理由と、胸の奥にしまい込んでいた後悔が見えてくるのが、3期です。

「俺はオールマイトが勝つ姿に憧れた 誰が何言ってこようが、そこはもう曲がらねえ!」

林間合宿のさなかにヴィラン連合に連れ去られ、死柄木に仲間になれと誘われた場面で。――アニメ3期(通算46話)

連れ去られた先で、死柄木はヒーロー社会への疑問を語り、爆豪を仲間に誘います。

失敗したヒーローを責め立てる世の中は、本当に正しいのか。

そのうえで、こう続けました。

「君も勝つのは好きだろ?」

死柄木は、爆豪の拘束まで解かせます。

その話の途中で、爆豪は死柄木に爆破を浴びせ、この言葉を叩きつけました。

「俺はオールマイトが勝つ姿に憧れた 誰が何言ってこようが、そこはもう曲がらねえ!」

死柄木の誘い方が本当にうまくて、見ながら「爆豪がなびいちゃったらどうしよう」と思っていました。

だからこの言葉を聞いたとき、簡単にヴィランに流されるやつじゃなかったんだと見直しました。

同時に、めちゃくちゃ安心しました。

デクと爆豪は、同じオールマイトに憧れて育ちました。

ただ、憧れた姿は少し違っていたようです。

デクの心に残ったのは、人を救けるオールマイト。

爆豪の心に残ったのは、勝つオールマイトでした。

どんな相手にも負けず、最後には必ず勝つ。

その姿こそがヒーローだと信じてきたから、爆豪は「勝つ」ことを曲げませんでした。

連れ去られた先で、たった一人で敵に囲まれていても、です。

青い静寂に包まれた廃倉庫の椅子

「俺は…俺はオールマイトを終わらせちまってんだ!」

デクを夜の訓練場に呼び出し、二人きりで本気でぶつかり合った場面で。――アニメ3期(通算61話)「デク vs かっちゃん 2」

連れ去られた爆豪を救い出すための戦いで、オールマイトは力を使い果たし、ヒーローとしての役目を終えました。

その原因は自分にある。

爆豪は誰にも言えないまま、ずっとそう思い続けていました。

 

デクを呼び出した爆豪は、戦いを始める前に、こう問いかけます。

「てめえの憧れの方が正しいってんなら…じゃあ、俺の憧れは間違ってたのかよ」

勝つオールマイトに憧れた自分と、救けるオールマイトに選ばれたデク。

爆豪がずっと抱えていたのは、怒りではなく、この問いだったのだと思います。

 

アニメの制作現場でも、この戦いはデクを通して爆豪が自分に問いかける場面として演じられたそうです。

戦いの途中、倒れた爆豪にデクが手を差し出します。

爆豪はその手を払いのけ、泣きながら叫びました。

「俺が強くて、ヴィランにさらわれなんかしなけりゃ、あんなことになってなかった」

この回の爆豪は、デクとぶつかりながら、自分自身を責めています。

この回を見て、爆豪もたくさん考えて、たくさん悩んでいたんだなと思いました。

言葉づかいは、相変わらず悪いんですけどね。

二人の戦いのあと、駆けつけたオールマイトは爆豪を抱き寄せ、「すまない、君も少年なのに」と謝ります。

爆豪は、その腕を振り払いました。

そのうえでオールマイトは、二人にこう語りかけます。

「“助けて勝つ”“勝って助ける” 最高のヒーローになれるんだ」

勝つことにこだわる爆豪と、困っている人を助けたいデク。

どちらの思いも、ヒーローには欠かせないという言葉でした。

▼声優・岡本信彦さんが語る61話

岡本さんは、この回を境に、爆豪はデクの実力や背負っているものを認めるようになったと話しています。

トゲトゲしさの奥にあったものを、爆豪が初めて言葉にした夜でした。

▼この章のその他の名言

「俺も全部俺のもんにして上へ行く 選ばれたお前よりもな」(アニメ3期・通算61話)

オールマイトから、ワン・フォー・オールの秘密を聞かされたあとで。
デクの答えは「じゃあ ぼくはその上をいく」。
ここから二人は、張り合いながら一緒に上を目指す関係になっていきます。

 

<この夜のオールマイトの言葉は、オールマイトの名言の記事で紹介しています。>

【ここにオールマイトの記事のURLを入れる(公開後)】

見下していた側から、気づかせる側へ|アニメ4期

自分の弱さと向き合った爆豪は、4期に入ると、人にかける言葉が少しずつ変わっていきます。

相変わらず乱暴な言い方のままで。

「倒れねーってのは、クソ強ェだろ」

自分の“個性”の地味さに悩む切島に、ぶっきらぼうに返した言葉。――アニメ4期(通算68話)

切島鋭児郎の“個性”は、体を硬くする「硬化」。

派手な技を持つ仲間の中で、切島は自分の力に自信を持てずにいました。

そんな切島に、爆豪はまず、こう言い放ちます。

「張り合うも何も…てめえ前に”ブレねえ馬”だとか言ってたじゃねえか」

続けて、こう言いました。

「倒れねーってのは、クソ強ェだろ」

「クソ」って入ってるけど……これ、励ましてるんだよね?

そう。

しかも「倒れねー」って、神野で最後まで立ち続けたオールマイトの姿のことなんだよ。

神野って……爆豪がずっと自分を責めてた、あの戦いのこと?

うん。

いちばんつらい記憶の中から、仲間を励ます言葉を取り出してるんだよね。

そう思うと、この一言の重さが変わって見えます。

切島はのちの戦いで追い詰められたとき、このやり取りを思い出して、大きく力を伸ばしました。

口の悪さと優しさが、同じセリフの中に入っている。

私は、この名言ほど爆豪らしい言葉はないと思っています。

この言葉は、最終決戦で、爆豪自身を支えることにもなります。

月明かりの静かな学園夜景

「いつまでも見下したままじゃ、自分の弱さに気づけねえぞ」

仮免許の補講で、大人や学生を見下して言うことを聞かない少年に向けて。――アニメ4期(通算80話)

この言葉、誰に向けたものだと思いますか。

相手は、自分はすごいと思い込み、周りを見下している子どもでした。

まわりの子が少しずつ素直になっていく中、意地を張り続けていた一人の少年。

その姿は、どこか見覚えがあります。

デクの手を「助けられてもねえ」と払いのけた、あのころの爆豪です。

周りを見下していたから、自分の弱さに気づけなかった。

それを誰よりも知っているのは、爆豪自身でした。

かつて一番言われる側にいた少年が、今度は言う側に回っていました。

 

そして5期、爆豪は、もう一つ大きな言葉を口にします。

爆豪が「助けろ」と言えた日|アニメ5期

5期の爆豪は、仲間との戦い方も、自分の足りなさとの向き合い方も変わっていきます。

一人で勝つことしか考えていなかった少年の、小さくて大きな変化です。

「てめえらが危ねえ時は、俺が助ける で、俺が危ねえ時は…てめえらが俺を助けろ」

A組とB組の対抗戦で、同じチームの仲間に向けて。――アニメ5期(通算97話)

体育祭のころの爆豪なら、まず出てこない言葉です。

「助けろ」って命令口調なのが、いかにも爆豪だね。

うん。でも、あの「助けられてもねえ」って言ってた人が、だよ。

言い方は命令なのに、中身は仲間を頼ってるんだ。

▼デク役・山下大輝さんが語る5期の爆豪

山下さんは、このころの爆豪について、一人で勝つからチームで勝つ考え方ができるようになったと話しています。

クラスメイトを信頼して任せるようになった、と。

この話を読んで、たしかにそうだなと思いました。

私が爆豪を好きになったのも、5期あたりだったと思います。

この対抗戦で、爆豪は自分たちのチームの戦いをこう言い表します。

「勝負は必ず完全勝利、ヨンゼロ無傷」

体育祭でこだわった「完膚なきまでの1位」は、自分一人の勝利でした。

5期の「完全勝利」は、仲間が誰も欠けずに勝つことです。

同じ「完全」でも、中身がまるで違っています。

「逆に何が出来ねえのか、俺は知りに来た」「ナンバー1を超えるために足りねえもん、見つけに来た」

No.1ヒーロー・エンデヴァーの事務所でのインターンで、今抱えている課題を聞かれて。――アニメ5期(通算103話)

最初の一言に、周りのプロヒーローからは生意気だという声が上がります。

爆豪は「本心だ」と言い返し、こう続けました。

自分の爆破は、やりたいと思ったことが何でもできる。

ただ強いだけでは、本当に強い人にはなれないことも知った、と。

拳を握って、二つ目の言葉を口にします。

足りないものを、探しに来た。

1期の爆豪から、この言葉が出てくると想像できたでしょうか。

完璧でなければ気がすまなかった少年が、自分には足りないものがあると、人前で認めています。

この回から、エンデヴァーはデクたち3人を自ら鍛え始めます。

弱さを認めることは、爆豪にとって負けではなく、上に行くための一歩になっていました。

炎のアニメを見る夜のリビング

5期で変わり始めた爆豪は、6期、言葉より先に体が動きます。

体が勝手に動いた日と、やっと言えた「ごめん」|アニメ6期

6期は、ヒーローとヴィランの大きな戦いから始まります。

爆豪がずっと言えずにいた言葉が、ついに出てくるのもこの6期です。

「その時…俺の頭には、なんもなくて… ただ…体が勝手に動いてた」

死柄木の攻撃から、身を挺してデクをかばった場面。心の中の言葉です。――アニメ6期(通算122話)「爆豪勝己:ライジング」

同じ回で、爆豪は、デクを遠ざけてきた理由を自分の中で認めています。

デクは、根っこの部分で自分を勘定に入れていない。

昔からずっとそうで、できることが増えた今も変わらない。

それが不気味で、遠ざけたかった。

爆豪は、自分のしてきたことをいじめだったと認めています。

 

デクに死柄木の攻撃が迫ったとき。

爆豪は何も考えないまま、デクの前に飛び出していました。

2話で、何の“個性”もないまま、本能で爆豪のもとへ駆け出したデク。

あの日のデクと同じことを、今度は爆豪がしていたのです。

「言ってどうにかなるもんじゃねえけど…本音だ、出久 今までごめん」

一人で戦い続けてボロボロになったデクを、A組のみんなで連れ戻そうとする場面。――アニメ6期(通算136話)「デクvsA組」

みんなを守るために、デクは一人で雄英を離れ、戦い続けていました。

限界を迎えたデクの前に立ったのは、爆豪たちA組のみんなです。

爆豪は、まず自分のことを話し始めます。

「雄英に入って、思い通りにいくことなんて1つもなかった てめえの強さと自分の弱さを理解してく日々だった」

この言葉は、そのまま謝罪へと続いていきます。

あれだけ一番にこだわってきた爆豪が、自分の弱さをデクに向かって口にしています。

そして、これまで「デク」と呼び続けてきた相手を、「出久」と呼びました。

今までごめん。

たった一言です。

けれど、2話から数えて100話以上、爆豪はこの一言を言えずにきました。

 

この謝罪は、見る人の間でも受け止めが分かれた場面です。

正直に言うと、私もこの場面で、手放しで「良かった」と喜べたわけではありません。

それでも、ここでやっと言えたんだな、と思いました。

そう感じられたのは、爆豪自身が「言ってどうにかなるもんじゃねえ」とわかったうえで謝っているからです。

謝れば帳消しになるとは、爆豪も思っていない。

見ている側も、謝ったからといってすべてを許せるわけではありません。

そう感じる人がいるのも、自然なことだと思います。

言わなければ、前に進めなかった。

一番を譲れなかった少年が、自分の一番弱いところを差し出した瞬間でした。

ここから爆豪は、デクの背中を追いかける側に立ちます。

 

追いかける側になったかっちゃん|アニメ7期・FINAL SEASON

7期からFINAL SEASONにかけて、物語は最終決戦へ向かいます。

ずっとデクの前を走ってきたつもりの爆豪が、デクを追いかける。

その立場で口にした言葉は、どれも驚くほど素直です。

「なあ、出久…俺、まだお前に追いつけるかな」

死柄木との戦いで追い詰められ、デクの背中を思い浮かべて。――アニメ7期(通算149話)

この少し前、爆豪は持てる力のすべてを込めた一撃を、死柄木にあっさり防がれていました。

「俺の最大打点だった…こんなに遠いのかよ」――アニメ7期(通算148話)

仲間たちもボロボロになる中、爆豪は「勝たなきゃな…出久」とつぶやき、死柄木のほうへ歩き出します。

体中が痛む中で、爆豪は戦い続けます。

痛みの中で戦うのも、相手の癖を見つけて戦うのも、全部デクが通ってきた道だと気づきながら。

そのとき口からこぼれたのが、この問いでした。

ずっと見下ろしてきた相手を、爆豪は今、見上げています。

 

このあと爆豪は、子どものころから大事に持っていたオールマイトのカードを取り出します。

デクと同じカードでした。

「俺…サイン欲しかったんだよな」

ヘドロのヴィランの事件で出会ってから、ずっと言う機会をなくしていた一言です。

その直後、死柄木の攻撃を受け、爆豪の心臓は一度止まってしまいます。

夕焼けに染まる荒廃した岩場

「俺ァ 爆豪のかっちゃんだ!」

目を覚まして戦いに戻り、オール・フォー・ワンに向けて。――アニメFINAL SEASON(通算162話)「ラスボス!!」

止まっていた心臓が、もう一度動き出します。

エッジショットが救命を続けてくれたことと、爆豪自身の“個性”の目覚めによるものでした。

まだ動いていい体ではないと止めるエッジショットに、爆豪は素直にお礼を伝えます。

「生かしてくれてありがとう、先輩」

目覚めた爆豪が向かったのは、死柄木へのリベンジではありません。

オール・フォー・ワンに追い詰められていた、オールマイトのもとでした。

岡本さんは、神野の戦いからずっと自分がオールマイトを終わらせてしまったと後悔してきた爆豪だからこそ、ここでは救けることに気持ちが向かったのだと話しています。

オールマイトは、自分のアーマーを爆豪に託します。

差し伸べられたオールマイトの手に、爆豪は震える手を伸ばしていました。

戦いのさなか、心の中で、あの問いがもう一度。

「なあ、出久 俺、まだお前に追いつけるかな」

今度は、続きがありました。

「ああ…なんでだろうな なんか今、追い越せそうな気がする」

 

追い詰められたオール・フォー・ワンは、爆豪の姿に、かつての因縁の相手を重ねます。

その人の名前で、爆豪を呼びました。

そこへ返したのが、この名乗りです。

ここで爆豪が名乗ったのは、ヒーロー名じゃなくて「かっちゃん」なんだよね。

デクがずっと呼んできた、あの名前だね。なんだか胸があったかくなる。

うん。今はもう、デクしか呼ばない名前。

それを自分から名乗るんだよね。

私はそこに、「一人で何でもできるヒーロー」ではなく、たくさんの人に支えられてここに立っている、ひとりの少年としての爆豪を感じました。

もう一度動き出した心臓は、エッジショットがつないでくれたもの。

身につけているのは、オールマイトから託されたアーマー。

思えばオール・フォー・ワンは、すべてを自分ひとりの力で手に入れようとしてきた敵です。

自分以外は、みんな脇役だと思っている。

その姿は、物語の始まりのころの爆豪と、どこか重なります。

そんな相手を前に、爆豪は「一人ではない自分」を名乗りました。

この名乗りは、かつての自分との決着でもあったのだと思います。

名乗りの直前の「バ~カ!」という子どもっぽいあおりも、いかにも爆豪らしいところです。

次の名言で、爆豪自身も、そのことをはっきり言葉にします。

「俺1人で…勝てるわけねえんだよ」

オール・フォー・ワンとの戦いが決着へ向かう中で。――アニメFINAL SEASON(通算163話)

あの爆豪が、こんなことを言う日が来るなんて。

オール・フォー・ワンは「これは僕の物語だ」と叫び、爆豪を「モブ」と呼んで押し通ろうとします。

その言葉を思い出しながら、爆豪は気づきます。

「そうじゃねえ…そうじゃなかったんだ 1人じゃなかった」

体育祭で「完膚なきまでの1位」を叫んだ少年は、勝つことを誰にも渡そうとしませんでした。

その爆豪が、最大の敵との決着の場面で、一人では勝てないと言っています。

あきらめたのではありません。

自分の体も、つないでもらった命も、夢も、一人で手に入れたものではなかったと気づいたのです。

 

決着が近づいたとき、爆豪の体は限界を迎えていました。

倒れそうになった爆豪がそこで思い出したのは、かつて切島に言った自分の言葉です。

「倒れねーってのは、クソ強ェだろ」

仲間を励ました一言が、今度は爆豪自身を立たせていました。

爆豪は足を踏ん張り、「完全に勝たねえと」と、最後まで勝ち切ります。

 

そして倒れ込んだまま拳を上げ、遠くで戦うデクにこう送りました。

「出久…頑張れよ」

勝つ形は変わっても、爆豪は最後まで勝つことをやめませんでした。

ただ、その「勝つ」の中に、仲間がいるようになっただけです。

爆発に包まれた未来都市の大通り

そして物語の最後、爆豪はもう一度、デクの前に立ちます。

「来い デク」最後に手を差し出したのは爆豪だった|アニメ FINAL SEASON

長い戦いが終わり、物語は最終話へ向かいます。

デクが無個性に戻ると知った日の涙と、私がいちばん好きな爆豪の言葉を紹介します。

「マジで…マジでお前に…何しとったんだろうな、俺」

力を使い果たし、無個性に戻ろうとしているデクの病室で。――アニメ FINAL SEASON(通算168話)

デクとオールマイトの話が聞こえて、爆豪が病室に飛びこんできます。

デクは戦いの中で力を使い果たし、もうすぐ“個性”を失って、無個性に戻ろうとしていました。

それでもデクは、もともとなかったものだから惜しくはない、と笑います。

その言葉を聞いた爆豪は、これまでのことを思い出して、泣き出しました。

「なんとなく、ずっとこのまま…競い合って追っかけていくって…なんか思ってた」

 

そんな二人を見て、オールマイトは「爆豪少年も、最高のヒーローだ」と伝えます。

最後は三人で、オールマイトのポーズのように拳を上げました。

この日の涙を思うと、8年後の最終話は、もっと胸にせまってきます。

▼この章のその他の名言

「どんなキツいリハビリだろうがやってやんぜ、今すぐ!」(アニメ FINAL SEASON・通算168話)

腕は元に戻らないかもしれないと告げられた病室で。
「あいつは持ってすらなかったんだ」とデクを思い出し、急に気合いが入った爆豪の言葉です。
医師には、まだ絶対安静だと止められていましたが。

「来い デク」

8年後、出動要請を受けて現場に駆けつけたデクに、手を伸ばして。――アニメ FINAL SEASON(通算170話)最終話

戦いの末に“個性”を失ったデクは、雄英の教師になっていました。

そこへオールマイトが、新しいアーマーを届けに来ます。

海外の友人と発目の協力、そして爆豪を中心に、かつてのA組のみんなが資金を出し合って作ったものでした。

 

出動要請を受けてデクが現場へ向かうと、そこには爆豪とA組のみんなが待っていました。

かつて無個性だったデクを、ずっと下に見てきた爆豪。

その爆豪が、“個性”を失って無個性に戻ったデクに、手を伸ばします。

▼思い出してほしい、3期の「来んな デク」

林間合宿で、爆豪がヴィラン連合に連れ去られたとき。

追いかけてきたデクに、爆豪はこう言っていました。

「来んな デク」――アニメ3期(通算45話)

この「来んな」には、二つの読み方があると思います。

  • デクを危ない目にあわせたくない、巻き込みたくないと、かばった
  • デクに助けられること自体が、嫌だった

どちらとも取れるように描かれているところが、この場面のうまさだと私は思います。

でも、最終話の「来い」には、もう迷いがありません。

見下して、遠ざけてきた相手に、今は心ごと、こっちに来いと言っている。

最高かよ、と思いました。

2話で、爆豪はデクの手を「助けられてもねえ」と払いのけました。

61話でも、差し出されたデクの手を払いのけています。

162話では、オールマイトの手に、震える手を伸ばしました。

170話で手を差し出したのは、爆豪でした。

拒んだ手を、最後は自分から差し出す。

青空に伸びる未来都市の大通り

爆豪(かっちゃん)の名言が今も刺さる理由

口が悪くて、好き嫌いが大きく分かれる爆豪。

それでも、その言葉が心に残るのはなぜなのか。

理由を3つにまとめました。

負けたことを、なかったことにしなかったから

8話で、デクに負けた爆豪は、泣きながら「こっからだ!」と叫びました。

体育祭でも、神野でも、死柄木との戦いでも、爆豪は思いどおりに勝てたわけではありません。

そのたびに、爆豪はそこからもう一度始めてきました。

負けを認めたうえで、上を目指し続ける。

その姿に、自分を重ねる人も多いのだと思います。

口の悪さが、本音の目印になっていたから

「本心だ」「本音だ、出久」。

爆豪は、言い方こそ乱暴でも、思ってもいないことは口にしませんでした。

取りつくろった言葉を使わない人だから、「今までごめん」の一言は重く響きます。

怒鳴り声の中に本音がまじるたびに、見ている側はハッとさせられるのです。

最後まで、爆豪のままだったから

物語の最後まで、爆豪の口の悪さは変わりませんでした。

「来い デク」も、命令口調のままです。

勝つことへのこだわりも、最後まで手放していません。

急にいい人になったわけではないから、少しずつ変わっていった言葉が、うそっぽく見えない。

変わらないところがあったからこそ、変わったところが際立つのだと思います。

 

<爆豪とデクの物語の結末は、原作の最終巻でもたどることができます。>

僕のヒーローアカデミア 42
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まとめ:ヒロアカ・爆豪勝己(かっちゃん)の名言が教えてくれること

一番にしかこだわれなかった少年は、負けるたびに、言えなかった言葉を一つずつ手に入れていきました。

爆豪の名言をたどると、「強い」の意味が少しずつ変わっていくのがわかります。

はじめは、一人で、誰にも負けないこと。

最後は、負けを認めて、人を頼って、謝って、それでも前に進むこと。

言えなかった言葉を言えるようになることも、強くなることの一つなのだと、爆豪は教えてくれます。

爆豪のしてきたことを、すべて許せるわけではない人もいると思います。

私は、最後に「来い デク」と手を伸ばした姿を見て、ここまで見てきてよかったと思いました。

その一言にたどり着くまでの道のりごと、私は爆豪勝己が好きです。

 

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